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 考察:日本とタイの医療施設の違いから見えたこと
社会保険制度
 タイでは日本と同じく、社会保険制度が存在する。 勤労者本人に対する保障という点を除き、日本の制度と多くの共通点がある。 現在のタクシン政権では、貧困層への医療制度の充実をはかるべく「30バーツ健康保険制度」(注1)の実現を医療改革策として実施しているが、所得の制限は無いものの、医療施設が居住地などによって制限されており、また病院(多くが公立病院)は常に患者が多く、中間層や富裕層は民間の病院での診療を希望するケースが多い。
日本とタイのハウスキーピング事情
日本 考え方 タイ
(対時間)生産性 時間管理は緩慢
テクノロジー(科学的根拠に基づく資機材
と方法)
衛生的手洗い(消毒剤の多用)
教育による人質向上
定性・定量による品質管理
特徴

手洗い
人質
品質
エコロジー(人海戦術)

一般的手洗い(消毒剤や石鹸液が少ない)
マニュアルによる作業の単純化
美醜の主観的判断
1 ハウスキーピングに対する考え方がまず異なる。時間を尺度ととらえる日本に対し、とらえない(取る必要性がない)タイ。つまり日本は限られた予算の中でいかにして品質の確保と利益を追求するか?の答えが効率化であるに対して、タイではスタッフの投入により常に仕事を行える状態を作り出せる。前者はテクノロジーであるとするならば、後者はエコロジー(自然浄化)である。
2 ? 手洗い設備への疑問もあったが、タイでは一般的手洗いが重視されているが、日本では衛生的手洗いが重視される。これらもテクノロジーとエコロジーの視点から見れば非常に興味深い。
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タイにおいて今後必要となるのは何か?
 視察の結果、今後タイにおいてあるべき姿だと考えるのは、「テクノロジーとエコロジーの融合」である。
 セントルイス病院だけでなくタイの他の病院も衛生管理は行われているが、本来医療施設で行うべきハウスキーピングの基本である除塵に、清掃従事者130名が必要なのか? 効率化を図り、従事者70名によるシステム・体制作りをサポートするシステムツールは当然管理コストに大きなメリットを生み、さらに主観だけではなく、品質管理マネージメントシステムの有効性の検証に、交差汚染予防の観点から品質管理基準を策定し、結果の評価を記録し、改善や是正の機会を確実に捉え、実施していくことが必要となろう。
おわりに
視察当日は、「病院機能評価」の定期審査の日にあたり、高度清浄区域を見ることが出来なかったが、方法や品質管理のシステムはともかく、豊富な人的資源を武器に常時目で見える美観を維持しているのは、いかにして人件費を抑制するか、もしくは作業生産性を上げるか?に重きが置かれている日本の現状からみれば非常に羨ましい限りであった。 しかしながら、昨今東南アジアで発生している新型の感染症や、医療施設で起こりうる院内感染の重大性を考えれば、作業従事者の意識向上と、科学的根拠に基づいた管理システムを確立、実施し、交差汚染を予防する必要性は切迫する緊急の課題であろう。
報告者:サニタリー事業部 多賀 輝彦
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